どうも、狐乃文人です。
ライティングは情報を伝えるための手段であり、伝えるという行為には必ず相手が存在します。
つまり、あなたが書いた文字や言葉が相手に届かなければ、良いライティングができたとは言えません。
そこで意識してほしいポイントが、届ける相手を明確にする「ターゲット」と「ペルソナ」です。
この記事では、ライティングするなら意識しておきたい、ターゲットとペルソナの考え方を詳しく解説していきます。
【概要】ターゲットとペルソナの意味とは
まずはターゲット、ペルソナの各用語から解説していきます。
ターゲットとは
ターゲットとは文章を届けたい相手のことを指します。
まずはあなたが書こうとしている文章を届ける相手の顔、年齢、性格などを具体的に想像してみましょう。
- 小学校低学年の男の子なのか
- 20代前後の若者なのか
- それとも、おばあちゃんなのか
送る相手が明確になると、どんな言葉使いや内容で情報や思いを伝えるか、変わってきますよね。
ここでは、「ポケモンの新作の発売日が決まったこと」を例にそれぞれのケースを見てみましょう。
小学校低学年の男の子の場合
1がつ28にちに、ぽけもんのあたらしいげーむがあそべるようになるんだって。
おしょうがつにもらったおとしだまでかって、こんどいっしょにあそぼうね。
20代前半の若者の場合
1月28日にポケモンの新作が出るらしいから遊ぼうぜ。
還暦を迎えたおばあちゃんの場合
1月28日にポケットモンスターアルセウスというビデオゲームが発売されるんだって。すごくおもしろいゲームだから、おばあちゃんも買って僕と一緒に遊びましょう。
いかがでしょうか。
おばあちゃんがポケモンで遊ぶかはさておき、同じポケモンのゲームの発売日を伝えるだけでもかなり印象が変わっているかと思います。
ひらがなや漢字の使い分けはもちろんですが、一番注目してほしいのは「情報量」です。
「ポケモンの発売日を伝える」という目的でそれぞれ文章を書いていますが、ターゲットに合わせて伝えている情報が若干違います。
男の子の場合は、ポケモンを知っていることを前提に「お年玉で買う」というソフトを購入する方法まで伝えています。
次に20代前後の若者の場合は、相手の知識量を理解した上で「ポケモンの新作が出たら(買って)遊ぼう」と途中に入るべき言葉すらカットしています。
またおばあちゃんの場合は、そもそもポケモンを知らない可能性があるので「ソフトの正式名称」や「ゲームがおもしろいこと」、「一緒に遊べること」を1つ1つ丁寧に伝えています。
このように伝える相手に合わせて言葉使いや情報量をコントロールすることで、伝わりやすい文章がかけるようになります。
そのためにも、文章を届ける相手「ターゲット」がどんな人物なのか、特徴をよく理解することが重要です。
ペルソナとは
ペルソナとは、ターゲットの情報をもとに作り上げる架空の人物のことです。
ターゲットとは違い、ペルソナという考え方は、あまりメジャーじゃないかもしれませんね。
ペルソナはマーケティング戦略で使われている考え方で、あなたの文章を読む典型的な相手のことを指します。
例えば、先ほどの20代前後の若者を例にペルソナを設定してみましょう。
20代前半の若者のペルソナ
- 21歳女子大学生
- 田舎から上京して都会で一人暮らし
- 2サークルやバイトで忙しい日々を送っているが、毎日2時間のゲームを欠かさない
- 2流行に敏感なので、流行りのゲームは必ずチェックしている
いかがでしょうか。
ターゲットよりもさらに実在しそうな人間に近づいていったかと思います。
このように作り上げた人物をブラッシュアップすることで、この人が理解できる情報量、不愉快にならない言葉遣いになります。
この気遣い、心遣いがペルソナを作る目的です。
ペルソナを作ることで、届けたい相手にとって読みやすく、わかりやすい文章がかけるようになります。
またペルソナを決めることで、ユーザー目線(読者目線)でのライティングができますし、ライティングを積み重ねるうちに認識がズレることも避けられます。
【実践】ターゲットとペルソナの作り方
それでは実際に、ターゲットとペルソナの具体的な考え方を実例とともに紹介します。
例1:このブログの場合
ターゲット:20代~30代ぐらいでライターになりたい人、副業でブログやライティングを始めたい人
ペルソナ:30歳男性、妻と子供の3人家族、やっと会社内でも責任のある仕事を任せてもらえるようになったが、なかなかお給料が上がらず、子供の教育費などを考えるともう少し収入を上げたい。そんな思いから副業でWEBライティングに挑戦することを決めた。目標は月5万円。
この記事を読んでいる人の多くはネットで検索してたどり着いていることを想定しています。
そのため「趣味というよりも副業でお金を稼ぎたい」「ライターになりたい」という明確な目的を持ってライターを目指していることを想定して、ターゲットとペルソナを設定しました。
例2:好きな人にラブレターを書くの場合
ターゲット:好きな人
ペルソナ:好きな人
特定の人物、団体に向けて文章を書く場合は、ターゲットやペルソナを作る必要はありません。
相手が読みやすく、わかりやすいように文章を書いていきましょう。
例3:日焼け止めクリームのレビュー記事を作成する場合
ターゲット:日焼け止めの購入を検討している人、自分の肌質にあった日焼け止めを探している人
ペルソナ:20代女性、最近日差しが強くなってきたので日焼け止めの購入を検討している。敏感肌なので低刺激で肌への負担が少ない日焼け止めを探しているが、商品の広告だけでは不安なので、レビューを見て判断したいと思っている。
レビュー記事(アフィリエイト記事)を作成する際は、レビュー記事を読んで商品を購入させることがゴールになります。
そのため商品の解説に加えて、商品を購入して使ってみた感想、消費者目線で使ってよかったところ、悪かったところ、他の商品と比べての感想など、あなたの感想も書くようにしましょう。
広告だけではわからない「実際のところ」を伝えることで、読み手は商品の付加価値を理解して購入しやすくなります。

【応用】ターゲットとペルソナを作るときの注意点
最後にターゲットとペルソナを設定する時の注意点を紹介します。
ターゲットを作るときの注意点
ターゲットを作る時は、徹底した市場調査が必要です。
市場調査とは、自分が発信する情報をどんな人が必要としているか、インターネットなどを使って調べる方法のことを指します。
例えば、釣りをする時にいくらすごい釣り竿を持っていても、魚がほとんどいない池では全く釣れないですよね。
逆にオンボロの釣り竿でも、魚がたくさんいる海岸で釣りをすれば、どんどん釣れるでしょう。
このように、あなたが文章を届けようとしているターゲットは何人ぐらいいるのか、性別や年齢はどれくらいなのか、といった情報を持っていたほうが、圧倒的に有利になります。
そのため、ターゲットを決める時は徹底した市場調査を行いましょう。
ペルソナを作るときの注意点
ペルソナの設定はシンプルに、作りすぎないように注意しましょう。
ペルソナを作っていると、文章を書くときには不要な細かな設定を付けがちです。
例えば、先程の日焼け止めクリームで使用した設定の場合。
ターゲット
- 日焼け止めの購入を検討している人
- 自分の肌質にあった日焼け止めを探している人
ペルソナ
- 20代女性
- 最近日差しが強くなってきたので日焼け止めの購入を検討している
- 敏感肌なので低刺激で肌への負担が少ない日焼け止めを探している
- 商品の広告だけでは不安なので、レビューを見て判断したいと思っている
いらない設定
- 丸の内にある大手商社に勤める社会人3年目
- 家族は父、母、弟と愛犬の4人+1匹の家族
- 好みの男性は松下洸平
日焼け止めクリームをレビューする記事を書く時に、女性の家族構成や勤務先の情報、好みの男性などの情報は必要ありませんよね。
文章だけだと伝わりにくいですが、実際にペルソナを作り始めると楽しくなってしまって、こういった不要な設定を付けてしまいます。
こういった失敗をしないためにも、文章を書く目的、読者のゴールを明確にしてペルソナ作りに取り組みましょう。
【まとめ】ターゲットとペルソナの違いを正しく理解しよう
ここまでターゲットとペルソナについてざっと解説してきましたが、一旦ここで整理したいと思います。
まず、ターゲットとペルソナの関係性からおさらいしていきましょう。
ターゲットとは文章を届けたい相手のこと、そしてペルソナはターゲットの情報をもとに、さらに実在しそうな人物に落とし込むことです。
例えば、こんな感じ。
ペルソナ・ターゲットの例
ターゲット:学校の勉強についていけてない小学生
ペルソナ:小学四年生、男の子、練馬区在住、いつもテストで0点をとって怒られている、このままではだめだと勉強をしようとするとすぐに昼寝をしてしまう、青い家庭教師ロボットを雇っているが成績の向上は見られない
乃木坂46というターゲットの中の、斎藤飛鳥というペルソナ。
BTSというターゲットの中の、Vというペルソナ。
麦わらの海賊団というターゲットの中の、ルフィというペルソナ。
このように、ターゲットという大枠の中の1人がペルソナになります。
また、ターゲットとペルソナには、それぞれこのような違いがあります。
ターゲット | ペルソナ | |
抽象度 | 抽象的 | 具体的 |
難しさ | 難しい | 簡単 |
決め方 | ニーズとマッチしているか | ターゲットらしさがあるか |
ぜひ、ターゲットとペルソナの関係性を理解しながら、Webライティングに生かしていきましょう。