どうも、狐乃文人です。
セールスライティング、コピーライティングをする上で単にライティングスキルを伸ばすだけでは稼げるライターになれません。
例えば、自分が書いたLPやメルマガは、いつ、どんな目的で、どうやってお客さんに届けられているかといった導線を理解していないと良い文章を書くことはできません。
そこでこの記事では、セールスライターなら絶対に知っておくべきマーケティング戦略「リストマーケティング」について解説します。
この記事を読めば、リストマーケティングの概要と重要性を理解し、セールスライティングやコピーライティングの制作業務に活かせるでしょう。
リストマーケティングとは顧客情報を基にセールスを行う手法のこと
まずはリストマーケティングの概要からお伝えします。
リストマーケティングを一言で表すと「顧客情報を基にセールスを行う営業手法」です。
この手法はBtoC、DtoC、BtoBなどの取引先を問わず、ほとんどのビジネスで使われているマーケティング手法です。
リストマーケティングの例
- 公式LINEへの登録を促す
- SNSをフォローさせる
- メールアドレスを登録させる
など
ちなみにリストマーケティングにおける「リスト」とは顧客情報のことを指します。
顧客情報の例
- 氏名
- 生年月日
- 住所
- 年齢
- メールアドレス
- 電話番号
- LINEアカウント
- SNSのアカウント
- 登録までの経路
- 商品購入履歴
- お問い合わせ履歴
- 販売者とのやりとり
など
これだけたくさんありますが、一般的にリストマーケティングと言うと「住所」「メールアドレス」「電話番号」「LINEアカウント」などを使ったマーケティングのことを指します。
これらの情報を用いると「東京都40代男性だけ」「弊社の商品を3回以上買ったことがある50代女性だけ」といったように特定のお客さんだけにセールスを行う事ができます。
後ほど解説しますが、この特定のお客さんを狙ってセールスをできることが、リストマーケティング最大の強みと言っても過言ではありません。
リストマーケティングを行う5つのメリット
次にリストマーケティングを行う5つのメリットをご紹介します。
顧客情報を集めるという手間をかけてまで、多くの企業や個人がリストマーケティングを行う理由は下記の5つのメリットがあるからです。
リストマーケティング5つのメリット
- 質の高い見込み客を集められる
- 低コストで運営できる
- 集客から販売までを自動化できる
- 獲得したリストを再利用できる
- 費用対効果が高い
それでは順に解説します。
質の高い見込み客を集められる
まずいちばん大きなメリットは集客した見込み顧客の質が高いところです。
見込み顧客とは、商品に興味を持っているお客さんのこと。
リストマーケティングの場合、LP(ランディングページ)やバナー広告などを使ってリスト情報を獲得します。
この「リスト情報を獲得する」というアクションがミソで、お客さん自ら「情報を登録」しているので購買意欲が高いと考えられます。

そのため、リストマーケティングで獲得できるリストは非常に質が高い見込み顧客です。
低コストで運営できる
また、低コストで運営できる点も魅力の1つです。
一昔前までは商品を販売しようとすると「実店舗を構える」「従業員を雇う」といった初期コストが非常に大きかったです。
しかし、ネットが発達した現代は実店舗を構えなくてもネット上でお店を作って販売できますし、リストマーケティングを使えばコストをとことん下げることができます。
例えばメールやLINEで新商品を宣伝する場合、配信ツールを使えば数千円~数万円、高くても十数万円で特定のお客さんに紹介できます。
実店舗などの準備に数十万、数百万円かかるのと比べたらその差は歴然ですよね。
集客から販売までを自動化できる
集客から販売までの一連の流れを自動化できる点もリストマーケティングの強みです。
各メールの配信サービスや公式LINE(またはLステップ)では、ステップ配信と呼ばれる指定の日時や条件が揃ったお客さんに対して自動でメッセージを送れるサービスがあります。
このサービスを活用すれば、集客から商品の販売までを全て自動化できるわけですね。
さらに、次に紹介するメリットと組み合わせれば、さらに大きな金額を自動で稼ぎやすくなります。
獲得したリストを再利用できる
リストマーケティングの強みの1つが、獲得したリスト(顧客情報)を再利用できるという点です。
例えば、Aという商品を販売したとします。
通常のマーケティングの場合、お客さんがAを「買う」もしくは「買わない」と判断した時点で、販売元とお客さんの関係は終了します。
しかしリストマーケティングの場合、お客さんの連絡先を獲得しておけば
- Aを買った場合→Aと一緒に使うと良い商品Bを紹介する
- Aを買わなかった場合→Aとは全く違う商品Cを紹介する
といったように、別の商品を販売することもできます。
またLPを公開し続けている限り、見込み顧客数はどんどん増えていくので、売り上げも右肩上がりでどんどん増えていくでしょう。
費用対効果が高い
コンテンツ販売では良い商品を作ることはもちろん、商品を広く認知させることも重要です。
いくら良い商品でも認知されなければ、それは存在しないことと同意義です。
その点、リストマーケティングではお客さんにメールやLINEなどの媒体を使って紹介ができるため、広告の費用対効果が上がります。
ある調査によると、サイトで商品を販売するよりもリストマーケティングを活用したほうが5倍よく売れるというデータもあります。*

リストマーケティングのデメリット
リストマーケティングのメリットがわかったところで、続いてデメリットを解説します。
デメリットは下記の5つです。
リストマーケティングのデメリット
- 仕組みの構築に時間がかかる
- 売り込みが強いとお客さんに嫌われる
- リストが漏洩すると会社の信用度が下がる
- リストが増えるとコストがかさむ
- リストが一斉に届かなくなる可能性がある
それでは順に解説していきます。
仕組みの構築に時間がかかる
リストマーケティングは一度仕組みを作れば自動化できる反面、自動化には大きな労力と時間がかかります。
リストマーケティングに必要なもの
- 導線の構築
- LPの制作
- ステップメール(もしくはLINE)の制作
- セールスレター(もしくは商品販売ページ)の作成
- プライバシーポリシーの制定
- 特商法の制定
など、マーケティングの制作物だけでなく法律に基づいた規約などの制定も必要です。
そのため、素人がイチから作り上げるのは非常に難しいです。
売り込みが強いとお客さんに嫌われる
またリストマーケティングの大きなデメリットとして、売り込みが強いとユーザーが離れてしまう可能性があります。
例えば毎日プロモーションのメールやLINEが2通、3通と送られてきたらどうでしょう?
きっと多くの方が「ウザい」と感じて迷惑メールボックスに入れたり、LINEを通報またはブロックすると思います。
このようにリストマーケティングでは、過剰にセールスを行うとお客さんに嫌われてしまい連絡手段が断たれてしまいます。

リストが漏洩すると会社の信用度が下がる
リストはメールアドレスや電話番号などお客さんの個人情報なので、万が一漏洩や流出したら社会的信用を失うことになります。

例えば、社内の全員が見れるチャットで個人情報をやり取りしている、顧客情報を管理するシステムのセキュリティが甘い、といった状況だとリストの漏洩リスクが非常に高いです。
リストの取り扱いには細心の注意を払いましょう。
リストが増えコスト持費がかさむ
リストマーケティングでは一度獲得した個人情報はどんどん蓄積されていくので、獲得リスト数はどんどん増えていきます。
そのため徐々にリストを管理するためのコストもかさんでいきます。
そして厄介なのが、蓄積されたリストの中には
- リストの重複(例:同じ人が別のメールアドレスを使って登録している)
- 反応がないリスト(例:登録したメールアドレスを使っていない)
- 要注意のリスト(過去にトラブルがあったので接触をしたくない人)
など、純粋に商品を売れないリストも存在します。

リスト増加とともに、重複や反応がないリストは削除していくという手間が発生します。
リストが一斉に届かなくなる可能性がある
リストマーケティング最大のリスクが、お客さんにメッセージが届けられなくなることです。

例えば、2022年12月29日にGoogleはスパム対策を強化するアップデートが行われました。
その影響で、プロモーションなどの大事なメールが届かなくなったという事案があちこちで発生しました。
Googleのアップデートの他にも、
- LINEアカウントのBAN
- メッセージを送る媒体のサービス終了
- メッセージを送る媒体のメンテナンス
などの外的要因によって、お客さんにメッセージを届けられなくなる可能性があります。
関連リンク
Get enhanced spam protection through automatic labeling of suspected spam calls in Google Voice
リストマーケティングの流れ
続いて、リストマーケティングの大まかな流れを解説します。
リストマーケティングはこの画像の流れで進んでいきます。
商品の販売形態によって流れが変わることもありますが、一番オーソドックスなパターンなのでぜひ覚えておきましょう。
集客
リストマーケティングを行うには、まずはお客さんを集めなければなりません。
そのためにも、まずは多くの人に認知される必要があります。
例えば、SNSや広告などを活用して商品やサービスを宣伝しましょう。
そして興味を持った人はLP(ランディングページ)に誘導して、個人情報の登録を促しましょう。
LPとは集客に特化したページのこと。
リストマーケティングでは必須のアイテムですので、ぜひ覚えておきましょう。
LPについてさらに詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。
教育
獲得したリストにいきなり商品を売りつけても、そう簡単に買ってもらえません。
商品を紹介する前に「教育」を実施しましょう。
「教育」とは、お客さんに売り手(あなた)を好きになってもらうための行動のことを指します。
教育の例
- 売り手の理念や目標、人となりを知ってもらう
- コミュニケーションをとって信頼を得る
- 販売する商品の魅力を知ってもらうプロモーション動画を見せる
- ためになる情報をメルマガ・コラムなどで発信する
- 商品のサンプルをプレゼントをする
など、お客さんと積極的に接触して良好な関係を築いていきましょう。
ここで重要なのが、出し惜しみをせずに「とことんGIVEする」ことです。
1つのGIVEで1つのTAKEを求めているようでは、お客さんはあなたのことを好きになってくれません。
10や100GIVEするつもりで、まずは見返りを求めずどんどん与えていきましょう。
心を込めてGIVEし続けることで、お客さんはあなたの頑張りにきっと応えてくれると思いますよ。
販売
教育でお客さんと関係を築けたら、いよいよ販売です。
マーケティングでは、販売する商品を「フロントエンド」「バックエンド」という言葉で区分することがあります。
フロントエンドとは
初めて購入する人に向けた安価な商品のこと
広く・多くの人に親しまれるような商品だと売れやすい
バックエンドとは
フロントエンドを購入した人に向けた高額な商品のこと
フロントエンド商品よりも質が高くプレミア感がある商品だと売れやすい
ここから、
- フロントエンド商品を購入した人にはバックエンド商品を販売
- フロントエンド商品を購入しなかった人には、別のフロントエンド商品を販売
といった感じで、フロントエンド商品を軸に、ルートが二手に分かれていきます。
ルートが分かれるものの、教育してから販売の流れは変わりません。
再教育
商品販売後は、バックエンドや別のフロントエンドを販売するために再び教育を行います。
フロントエンドを購入したお客さんは、あなたの商品やサービスに価値を感じてくた方です。
再教育では、さらにあなたのことが好きになってバックエンドを買いたくなるよう、より手厚く教育をしましょう。
また、フロントエンドを購入しなかったお客さんも、これからの関係性次第では別のフロントエンドを購入してくれる可能性は十分にあります。
フロントエンド購入者ほど手厚くとはいきませんが、別の商品を購入してもらえるよう引き続き教育をしましょう。
リストマーケティングを成功させるには「お客さん」ではなく「ファン」になってもらう
次にリストマーケティングを成功させるための秘訣をご紹介します。
先に結論をお伝えすると、リストマーケティングを成功させたいなら「お客さん」を増やすことよりも「ファン」を増やすように心がけましょう。
ここで言う「お客さん」とは金銭的な価値を追求してくる人のことを指します。
例えば、あなたが100円の商品を売っていた場合、お客さんは払った100円分の価値(あるいは100円以上の価値)を求めてきます。
そのため、商品の値上げをした場合、すぐにお客さんが離れてしまうでしょう。
反対に「ファン」は、感情や信頼などお金で買えない価値を追求してくる人を指します。
先程の例を使って解説すると、値上げをしたとしても「あなたが売っている商品だから買いたい」「あなたの商品が好きだから買いたい」と、お金ではない尺度で判断してくれるお客さんのことです。
これからお伝えする内容は、ファンを増やすためにコツを実体験を踏まえて解説していきます。
広告やLPで質の高いお客さんを集める
リストマーケティングの効果を最大限発揮するためには、集客の方法にもこだわったほうが良いでしょう。
例えば、20代女性向けのファッション雑誌を販売しようとした時に、50代男性のお客さんばかりを集めていては意味がないですよね。
このようにただお客さんを集めるのではなく、ターゲットとなる年代、性別の人たちを集めることをオススメします。
少し具体例を挙げると
- 10代を狙うなら→You TubeやTikTokの広告を活用する
- 高齢者を狙うなら→折込チラシやテレビCMを活用する
- 太っている人を狙うなら→トレーニングジムにポスターを貼る
など、ターゲットとする人たちが日常的に利用する媒体やサービスを活用することで、購買意欲の高いお客さんが集まってくるでしょう。
ターゲットの考え方について、さらに詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
▽
やりすぎなくらい教育に力を入れる
リストマーケティングでファンを増やしたいなら、教育にとことん力を入れましょう。
繰り返しになりますが、教育はお客さんとの良好な関係性を築く重要な手段です。
そのためにも、フロントエンドなどの有料商品と同じくらいの熱量で教育も行うと良いですね。
教育の例
- 毎日メルマガを配信する
- お客さんの投稿、コメントに積極的に返答する
- 定期的にプレゼントをあげる
このように教育の質を高めながら、お客さんをファンにしていきましょう。
教育の回数を増やしすぎない・減らしすぎない
また、教育の質と同じく量も大切です。
回数が少ないとお客さんがあなたのことを忘れてしまう可能性があります。

単純接触効果(ザイオンスの効果)という心理効果では、人間は自分と接触回数が多いものに好感を持つようになると言われています。
そのため可能なら毎日、最低でも週1回はブログの更新やメルマガの配信などを行い、お客さんと接触していきましょう。
ただ接触回数が多ければ良いというものではありません。
例えば1日に3通も4通もメルマガが来たら、さすがにウザがられてしまいます。
節度を守りつつ、お客さんと良好な関係を築いていきましょう。
単純接触効果を使ったライティングテクニックはこちらの記事で解説しています。
▽
お客さんを区別する
時にリストマーケティングでは、お客さんを区別することも重要です。

例えば、フロントエンドとバックエンドを1商品ずつ販売した場合、お客さんは下記のように分類することができます。
- フロントエンドとバックエンド両方買った人→VIP待遇
- フロントエンドは買ったが、バックエンドは買わなかった人→特別待遇
- フロントエンドを買っていない人→一般待遇
※今回は、フロントエンドを買った人のみバックエンドを買えると仮定します。
いくつも商品を買ってくれているということは、それだけあなたのことが好きだということ。
そんなお客さんは特に大事にした方が良いですよね。
また、フロントエンドを買っていないお客さんも冷遇してはいけません。
お何も買っていないお客さんをスタンダードと考え、商品を買うほど待遇が厚くなる加点方式を取ることで、客さん全体の満足度を高められるでしょう。
リストマーケティングの失敗例
最後に私が以前勤めていた会社で実際にあった、リストマーケティングの失敗例をご紹介します。
会社情報
- 情報商材の販売会社
- 10万件以上のリストを保有
- 一部アンチはいたものの、お客さんとの関係性は良好
私が入社した当時はお客さんと良好な関係を築けていました。
しかし、経営陣は会社の売り上げを重視するあまり、新規のフロント商品の販売に社員を動員したことで教育の過程は大幅に縮小されました。
その結果、新規で入ってきたお客さんはファンになる前に逃げられて音信不通になり、もともとファンだったお客さんもどんどん離れてしまいました。
最終的に売り上げも右肩下がりでどんどん減っていき、会社の規模を縮小させることになりました。
売り上げを増やしたいなら教育に力を入れよう
この経験から私は教育の大切さを改めて感じました。
リストマーケティングを成功させる秘訣でもご紹介しましたが、売り上げを伸ばしたいならファンを増やすことがとても大切です。
ファンが増えることでお客さん一人が使う金額の合計(LTV:ライフタイムバリュー)がアップして、少ないお客さんでも大きな売り上げが目指せるでしょう。
まとめ
いかがだったでしょうか。
今回はリストマーケティングについて解説してきました。
リストマーケティングとは
→顧客情報を基にセールスを行う営業手法のこと
リストマーケティングを行う5つのメリット
- 質の高い見込み客を集められる
- 低コストで運営できる
- 集客から販売までを自動化できる
- 獲得したリストを再利用できる
- 費用対効果が高い
リストマーケティングのデメリット
- 仕組みの構築に時間がかかる
- 売り込みが強いとお客さんに嫌われる
- リストが漏洩すると会社の信用度が下がる
- リストが増えるとコストがかさむ
- リストが一斉に届かなくなる可能性がある
リストマーケティングの流れ
集客→教育→フロントエンド→再教育→バックエンド(→再教育)
見出し(全角15文字)
- 広告やLPで質の高いお客さんを集める
- やりすぎなくらい教育に力を入れる
- 教育の回数を増やしすぎない・減らしすぎない
- お客さんを区別する
リストマーケティングの失敗例
→教育を疎かにしたことで売上大幅減の大失敗
→売り上げを増やしたいなら教育に力を入れる
リストマーケティングで成功するためには、私たちライターの力が必要不可欠です。
- 集客のLP・バナー画像の作成
- 教育用動画やメルマガの作成
- フロントエンド・バックエンドの商品販売ページの作成
これらの分野で活躍するためにも、リストマーケティングの考え方はしっかり押さえておきましょう。