どうも、狐乃文人です。
セールスライティングにおいて、ターゲットにこちらが意図する行動をとってほしい場合、こちらから行動を指示するだけでなく、相手に自ら行動させるような気持ちにさせることも重要です。
相手に自ら行動させようとする時に「一貫性」という人間の心理現象を使うと、思い通りに行動をとってもらいやすくなります。
そこで今回は一貫性を使ったセールスライティングについて解説します。
一貫性をうまく使いこなせれば、こちらが誘導したい行動をターゲットが自分からとってくれるようになるでしょう。
一貫性とは
一貫性とは、「自らの行動や発言に矛盾がないようにしたい」と思う人間の心理のことを指しています。
例えば、
一貫性の例
- ドラマの初回を見たら最終回まで見続ける
- 誰かと口喧嘩をした時に、自分の主張が悪いと気づきつつも引くに引けなくなったので相手が折れるまで続ける
- 高額な経営講座に申し込んでしまったので、最後まで休まずに講義を受け続ける
といったように、自らの意思で始めたことを最後までやり抜く習慣のことを一貫性といいます。
一貫性が有効な理由1:社会的に信用されやすいから
一貫性が有効な理由の1つとして、第三者や社会に信用されやすいからという理由が挙げられます。
例えば「周りに合わせて意見をコロコロと変えるAさん」と「態度を変えず自分の主張をしっかりもっているBさん」、この2人がいたらどちらのほうが信用できる人物だと思いますか?
おそらくほとんどの人が、主張に一貫性があるBさんの方だと思います。
このように、一貫性のある人は「しっかり自分の意見をもっているブレない人」という印象から、「誠実な人」「真っ直ぐな人」というポジティブな印象をもたれやすいです。
一貫性が有効な理由2:選択する手間が省けて楽になるから
そしてもう1つ、行動の選択する手間が省けて楽になるからという理由もあります。
アップルの創業者であるスティーブ・ジョブズさんは、いつも同じ服装をしていることで有名ですよね。
あれは「服を選ぶ」という選択をなくすことで、私生活の無駄を省いて効率化しているからと言われています。
今のは極端な例ですが、あなたも考えるのが面倒に感じて知らないうちに楽な方を選択していることがあります。
例えば、
- 美容室に行った時に「いつもの感じで」と注文する
- お弁当はいつも晩御飯の残りを入れる
- 家から駅に向かう時にいつも同じ道を通る
などちょっとした選択の場面で「いつもと同じ」を選ぶことで、結果に考える手間が省けて楽ができるわけですね。
このように、一貫性は人間が本能的に行ってしまう行動に付随しているものです。
そのため、セールスライティングに応用することで、思わず買いたくなるような文章が書けるようになるでしょう。
一貫性を使った3つの心理テクニック
続いて、一貫性を用いた心理テクニックを3つご紹介します。
一貫性を使った3つの心理テクニック
- ローボール・テクニック
- フット・イン・ザ・ドア・テクニック
- イエスセット
それでは順に解説します。
ローボール・テクニック
「ローボール・テクニック」とは、相手にとって魅力的な条件をはじめに提示して、承諾を得た後に条件の次々とオプションを提案する方法です。
有名なところだと、Amazonで買い物をする時にローボール・テクニックが使われています。
ローボール・テクニックの具体例
ユーザーが商品Aを買い物かごに入れる
↓
「他のユーザーはこんな商品を買っていますよ」と商品Aに関連する商品B、Cを提案する
↓
それを見たユーザーは「そうそう、コレも必要だよね」と商品B、Cもかごに入れる
このような方法で、ユーザーがセールスレターで商品を購入した後やランディングページ(LP)にメールアドレスを登録した後などにオプションを提案すると、ユーザーは提案を受け入れやすくなります。
フット・イン・ザ・ドア・テクニック
「フット・イン・ザ・ドア・テクニック」とは、難しい要求を通すために用いられる心理テクニックです。
難しい要求をいきなり突きつけたら、なかなか相手は了承してくれないでしょう。
しかし、簡単な要求をから段階的に難易度を引き上げていくことで、難しい要求も聞いてもらえるようになるのが、「フット・イン・ザ・ドア・テクニック」です。
フット・イン・ザ・ドア・テクニックを使った例文
相手がもっているボールペンが欲しい場合
1段階目:今、何時ですか?
2段階目:あなたが着ているスーツは、どこのメーカーですか?
3段階目:あなたのネクタイをちょっと触ってもいいですか?
・
・
・
N段階目:あなたがもっているボールペンをくれませんか?
当たり障りのない要求から徐々に引き上げていくことで、相手は知らぬ間に「〇〇もしてあげたから△△もしてあげよう」という気持ちが芽生えて、要求を拒否できなくなります。
ちなみに、「フット・イン・ザ・ドア・テクニック」を使う時は、3回以上要求を通してから本命の要求を出すと効果が高まるそうです。
イエスセット
「イエスセット」とは、何度も繰り返し「イエス」と返事を続けていると、自分の意思にそぐわないことでも「イエス」と答えやすくなるという心理テクニックです。
イエスセットを使った例文
- あなたはおいしい料理が食べたいですか?「イエス」
- あなたは自分ではおいしい料理が作れずに悩んでいますか?「イエス」
- あなたが作った手料理で自分だけでなく家族も笑顔にしたいですか?「イエス」
- ならば、私が監修した料理本を買ってくれますか?「イエス」
肯定的な返事を繰り返していると、謎の自信とポジティブな気持ちが湧いてくるので、思わず「イエス」と言いたくなるわけですね。
この心理テクニックと同じように、言葉を連呼させるとその言葉を言いたくなる効果はありますが、やはり「イエス」というポジティブで言いやすい単語の方が効果が高いでしょう。
一貫性を使ったセールスライティング
最後に一貫性をセールスライティングに応用する方法をご紹介します。
一貫性の法則は主にLPやセールスレター、ステップメールなど長文でターゲットを説得する場面で有効です。
ターゲットと関係性を築いていく中で一貫性を使えば、どんな商品やサービスでも買ってもらいやすくなるでしょう。
ローボール・テクニックの使い方
ローボール・テクニックは、LPやセールスレターなど全ての場面で有効です。
例えば、LPでメールアドレスの登録だけでなくLINEの友だち追加もお願いしたい場合、メールアドレスの登録を促し、登録した人に「メールよりもやり取りがしやすいLINEの登録もお願いします」と提案すると、メールアドレスとLINEの両方を獲得しやすくなります。
このように、1つ1つ順を追ってユーザーにお願いすることで、聞き入れてもらいやすくなります。
フット・イン・ザ・ドア・テクニックの使い方
フット・イン・ザ・ドア・テクニックは、ステップメールのように何度も接触回数があるもので有効です。
例えば、メルマガの最後で「あなたはもし明日100万円が振り込まれるとしたら嬉しいですか?イエスかノーでこのメールに返信してください」といったように、簡単なリアクションを求めると良いでしょう。
簡単なやり取りを繰り返すことで一貫性の恩恵を受けられるでしょう。
イエスセットの使い方
イエスセットは、LPやセールスレターのブレッドで使いやすいテクニックですね。
ブレッドについて、詳しく知りたい方はこちら
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ブレッドとイエスセットを使った例文
ハンドメイドのアクセサリーの購入を勧めたい場合
- 他人と被らないアクセサリーが欲しい
- 一つひとつ手作りで人間味のあるアクセサリーが欲しい
- 少しいびつで味のあるアクセサリーが欲しい
これらの要望を全て叶えたハンドメイドアクセサリーをあなたはほしいですか?
こんな感じでどれも「イエス」と答えたくなるような設問を用意することで、イエスセットの効果を活かせるでしょう。
まとめ
いかがだったでしょうか。
今回は一貫性を使ったセールスライティングを解説しました。
一貫性とは
★「自らの行動や発言に矛盾がないようにしたい」と思う人間の心理のこと
一貫性が有効な理由
★終始一貫した行動は社会的に信用されやすいから
★行動の選択する手間が省けて楽になるから
一貫性を使った3つの心理テクニック
★ローボール・テクニック
→ユーザーが行動を起こした勢いに乗じて、どんどん魅力的な提案をして追加の行動を促す心理テクニック
★フット・イン・ザ・ドア・テクニック
→簡単な要求をから段階的に難易度を引き上げていくことで、難しい要求も聞いてもらえるようになる心理テクニック
★イエスセット
→何度も繰り返し「イエス」と返事を続けていると、自分の意思にそぐわないことでも「イエス」と答えやすくなる心理テクニック
一貫性を使ったセールスライティング
★ローボール・テクニックの使い方
→ターゲットが行動を起こしたら、それに付随する魅力的なオプションの提案をする
★フット・イン・ザ・ドア・テクニックの使い方
→ターゲットがイエス、ノーで答えられるぐらい簡単な質問を繰り返して、小さな欲求に答え続けさせる
★イエスセットの使い方
→ターゲットが「イエス」と回答したくなるような要素をブレッドで書き出す
一貫性を使うことで、書き手が誘導したい行動をターゲット自らとってくれるようになるでしょう。
また、一貫性を効果的に使う時は「返報性、社会的証明、好意、稀少性、権威性」といった要素と組み合わせるとさらに効果が高まります。
ぜひこの記事を参考に、一貫性を効果的に使ってくださいね。