どうも、狐乃文人です。
Webライターには様々な働き方があります。
ライターの働き方の例
- 企業や個人から仕事を受けて働くフリーランス
- 本業とは別に空いている時間に働く副業
- 仲介業者を通して仕事を受注するアウトソーシング(下請け)
このように自由な働き方ができるところが、Webライターの魅力の1つと言っても過言ではありません。
しかし、中には「Webライターとして安定した収入が欲しい」「Webライターを本業にしたい」という方もいらっしゃるでしょう。
そこで今回は、Webライターの働き方の1つであるインハウスライターについて解説します。
実際に僕もインハウスライターをやっているので、リアルな現場の体験談も含めて解説しますね。
インハウスライターとは
そもそも「インハウス」とは、外部委託をせず自社内でメンバーを編成し、企画や業務を遂行することを指します。
つまり「インハウスライター」とは、正社員や契約社員など会社の一員として雇われているライターのことです。
もし、就職や転職でライターになろうとすると、必然的にインハウスライターを目指しているといえますね。
インハウスライターになるメリット・デメリット
そんなインハウスライターになると下記のメリット・デメリットがあります。
メリット・デメリット
- メリット1:収入が安定する
- メリット2:知識・スキルを習得しやすい
- メリット3:ポートフォリオを作りやすい
- デメリット1:自由度が低い
- デメリット2:お給料が低い
それでは順に解説していきます。
メリット1:収入が安定する
やはり一番のメリットは収入面の安定性です。
会社員をやっていると仕事があってお給料がもらえることが当たり前のように感じるかもしれませんね。
しかし、フリーランスになると自分で仕事を請け負って、支払いや税金の管理をしてととてもライティングだけに集中できる環境ではありません。
また、「契約しているクライアントにいつクビにされるかわからない」「明日働き口がなくなったらどうしよう」といった不安が常につきまとってきます。
しかし、社員であれば自分で営業をしなくても仕事がありますし、毎月の安定したお給料が約束されます。
さらに正社員になれば有給休暇や昇給・賞与、福利厚生、無期限の雇用など、会社が存続し続ける限り安定した将来がサラリーマンには約束されています。
ちなみに、知り合いのライターいわく、正社員雇用の「安定性」を体験すると独立やフリーランスという働きを選択できなくなるとのことです。
メリット2:知識・スキルを習得しやすい
インハウスライターになる魅力の1つとして、仕事をしながらライティングや各分野の専門知識やスキルを身につけられるのも嬉しいポイントです。
特に僕と同じように、学校や講座などでライティングの勉強をしてこなかった人間は、まず基礎から身につけていく必要があります。
インハウスライターのようにお給料をもらいながらライティングの基礎を学べるという、これほど恵まれた環境は他にありません。
特に所属している会社内に他にもインハウスライターがいれば、プロのライターから直接学べるので、ライティングの知識やスキルの伸びも段違いです。
メリット3:ポートフォリオを作りやすい
隠れたメリットとして、ポートフォリオが作れることも見逃せません。
ポートフォリオとは、自分で作り上げたLPや記事などの作成物のこと。
言い換えるなら、「履歴書」や「職務経歴書」のイメージですね。
フリーランスであっても転職であっても「これまでどんな物を書いてきたのか」「書いたものでどんな成果があったのか」など、自分の働きを証明できるものが必要です。
これをフリーで1から作るのは大変ですが、インハウスライターであれば社内で受注した仕事がそのままポートフォリオになります。
社外に公表できないものも多々あると思いますが「どんな企画で」「どんな売り上げを立てた」といった情報があるだけでも強力なポートフォリオになるでしょう。
ポートフォリオの具体的な作り方については、こちらの記事で詳しく解説しています。
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デメリット1:自由度が低い
インハウスライターになることで創作活動と生活の自由度に制限がかけられます。
例えば、
デメリット
- 会社によって副業が禁止されている
- 会社独自のレギュレーションに従う必要があり自分らしさを出せない
- 上司が気に入らないと書き直しさせられる
- 平日は8時間勤務に加えて残業がある
- 自由に休憩や休みが取れない
など、いろんな不都合があります。
この他にも、「自分が自信を持って良いと思えるような文章でも、上司がNGを出して没になる」「めちゃくちゃ下手な文章でも、上司がGOを出して一般に公開された」といったな悔しい場面に出くわすことも多々あります。
会社員なので働き方は仕方ないとしても、創作活動が思うようにできないとかなりのストレスを感じることもあるでしょう。
このようにインハウスライターは「クリエイター」というよりも「サラリーマン」としての側面が強いです。
インハウスライターの働き方についてさらに知りたい方は、こちらの記事が参考になると思います。
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デメリット2:お給料が低い
また、インハウスライターのお給料はかなり低めに設定されるやすいので注意が必要です。
これまで幾度も転職を繰り返してきた僕の経験ですが、
インハウスライターの給与事情
- 未経験なら基本給20万~22万円ぐらい(残業代・手当込みで手取り20万~22万円ぐらい)
- 経験者でも基本給が22万~25万円ぐらい(残業代・手当込みで手取り20万~22万円ぐらい)
と、かなり安い傾向があります。
※もちろん正当な評価をされて高く雇ってくれる会社もありますが、かなり少ないと思います。
特に勤続年数が長く知識・スキルが身についているほど買い叩かれている傾向があります。
以前に勤めて会社で働いていた勤続年数10年でバリバリエース級の働きをする人でも、基本給が8万円しか上がっていない(月給30万円)とのことでした。
ライティングという仕事は大変魅力的ですが、金銭面の現実はしっかり見ておく必要があります。
またある程度スキルや実績が身についたら、独立してフリーランスになるという選択がおすすめです。
会社員とは違い安定性はありませんが、頑張って働いた分だけ報酬として反映されやすく、モチベーション高く働くことができます。
フリーランスになるメリット・デメリット、稼ぎやすさ、働き方など詳しく解説したこちらの記事も併せてご覧ください。
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インハウスライターを雇う会社側のメリット・デメリット
続いてインハウスライターを雇い主、つまり会社側からメリット・デメリットを見ていきましょう。
メリット・デメリット
- メリット1:長期目線で人件費を抑えられる
- メリット2:連携が取りやすい
- メリット3:会社の特色を理解したライティングをしてくれる
- デメリット1:即戦力になりにくい
- デメリット2:教えられる人が必要
それでは順に解説していきます。
メリット1:長期目線で人件費を抑えられる
会社側の一番うれしいメリットは、長期目線で人件費を抑えられることでしょう。
外注でライターに記事を書いて貰う場合、1記事5000円、1文字1円といった感じで料金が発生します。
さらにブログやサイトの運営で収益を狙うSEOライターや商品の販売に特化した文章を書くセールスライター、キャッチコピーづくりの専門家であるコピーライターなど、特定の分野に特化しているプロフェッショナルなライターに頼むとなると、料金は2倍、3倍と跳ね上がっていきます。
しかし、インハウスライターであれば1月に何記事書かせたとしてもかかる人件費は一定です。
またインハウスライターであれば、外注を雇うほどでもないちょっとしたライティングの仕事や電話番や資料の作成といった雑務も任せることができるなど、非常に使い勝手が良いです。
さらに、勤続年数が長く知識やスキルが身についてくると、外注で雇うよりも安くより専門的でハイクオリティの記事を書くことも可能になります。
そのため、人件費を抑えてインハウスライターを育てていくという会社も多いそうです。
メリット2:連携が取りやすい
またインハウスライターは連絡が取りやすく、いろんな部署との連携が取りやすいというのも1つのメリットです。
外注の場合、電話やチャット、メールなどのツールを使わないと連絡を取る事ができません。
しかし、インハウスライターであれば会社で直接連絡が取れるので、細かな変更が効きやすいです。
またインハウスライターは、社内の事情を汲み取って小回りが効きやすいのも嬉しいポイントです。
メリット3:会社の特色を理解したライティングをしてくれる
また会社の特色を理解した専門的なライティングができるのも見逃せません。
例えば、
専門的なライティング
- 健康食品を扱う会社なら薬事法を厳守できる
- 金融系の商品を扱う会社なら投資の仕組みを理解している
- SEOに特化している会社ならGoogleの方針に沿ってライティングができる
といった感じで、会社が求める専門性を身に着けたライティングができる人材が増えると、売り上げや業績が大幅にアップしやすくなるでしょう。
外注で同等のレベルを求めてもなかなか思うような人材に出会えませんが、インハウスライターとして社内で育成できればコスト面でもかなりのプラスになるでしょう。
デメリット1:即戦力になりにくい
インハウスライターを雇う側の一番大きなデメリットは、即戦力になりにくいという点です。
いくら実績があるWebライターを雇ったとしても、本来の実力を発揮するまでには時間がかかります。
例えば、
インハウスライターがやるべきこと
- 仕事の内容を理解する
- 会社の人や雰囲気に慣れる
- 社員からの信頼を勝ち取る
- 会社の特色を取り入れる
など、会社に慣れて本来の力を発揮するまでに乗り越えなければならない壁がたくさんあります。
特に会社の特色を取り入れるのには、ベテランのWebライターであってもかなりの時間を要します。
さらに、場合によっては即戦力として期待していた人材が本領を発揮する前に転職してしまう、なんてこともありえるでしょう。
じっくり育てるために、かなりの時間がかかることは覚悟しておきましょう。
デメリット2:教えられる人が必要
また、人材の育成には教えられる人材も必要です。
僕もこのブログを書いていてすごく実感していますが、ライティングのスキルを言語化して誰かに伝えるというのはとても難しいです。
実際の僕が出会ってきたライターの中でも、書くことを教えられるライターはほんの2~3人しかいません。
それぐらい「自分で書くこと」と「書き方を教えること」は全然違います。
そのため、ライティングを教えられる人がいないと新しくインハウスライターを雇ったとしても、なかなか思うような成長や成果が得られないでしょう。
未経験からインハウスライターになるべき?
ここまで、インハウスライターについて色んな角度でお話してきました。
僕の経験も踏まえてお伝えすると、結論として未経験でWebライターを目指すならインハウスライターになるべきだと思っています。
Webライターで独立するにしても、良い会社に就職するにしてもやはり実績がなければ何もできません。
また、本やYou Tubeを使えば簡単に情報やノウハウを手に入れることはできますが、「百聞は一見にしかず」という言葉の通り体験をしないと会得できないものも多くあります。
だからこそ、最初はインハウスライターとして働きながら経験を積んで、スキルや実績を積み上げてから独立や良い会社への転職を選択しても十分遅くないでしょう。
未経験からWebライターになった僕の体験談をもとに、インハウスライターのなり方を解説した記事があります。
ライター志望の人に役立つヒント満載なので、ぜひご覧ください。
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まとめ
いかがだったでしょうか。
今回はインハウスライターについて解説しました。
インハウスライターとは
正社員や契約社員として会社に雇われているライターのこと
インハウスライターのメリット・デメリット
★メリット1:収入が安定する
→サラリーマン同様の収入+福利厚生が約束されている
★メリット2:知識・スキルを習得しやすい
→実務を通してWebライティングの経験が積める
★メリット3:ポートフォリオを作りやすい
→作成物だけでなく成果(売り上げ・アクセス数など)もわかる
★デメリット1:自由度が低い
→サラリーマンなので会社のルールに従わなければならない
★デメリット2:お給料が低い
→基本給だけでなく手取りがかなり安い可能性大
会社側ののメリット・デメリット
★メリット1:長期目線で人件費を抑えられる
→外注するよりも長期目線でコストが安いし、雑務も任せられる
★メリット2:連携が取りやすい
→コミュニケーションが取りやすく、社内の事情を汲み取った小回りが効く
★メリット3:会社の特色を理解したライティングをしてくれる
→会社が求める理想の人材を育てることができる
★デメリット1:即戦力になりにくい
→経験者出会っても馴染むまでに時間がかかる
★デメリット2:教えられる人が必要
→教育する側の労力がかかる、教えられる人がいないと成長速度が遅くなる
未経験でもなるべき?
未経験からでもなるべき
→働きながら知識・スキル・経験が積める最高の環境
→独立を考えている場合でも一度は経験する価値あり
実際にインハウスライターとして働いている、僕の目線で解説させていただきました。
Webライターらしい「自由度」「クリエイティブな環境」とは少し外れるかもしれませんが、インハウスライターで経験を積むことは必ずプラスになると考えています。
ぜひ、これからWebライターを目指す人は、インハウスライターの道を検討してみてはいかがでしょうか。