どうも、狐乃文人です。
最近のWeb広告やSNS広告で記事LPが主流になりつつあります。
一説では、プロが作った完成度の高いランディングページ(LP)よりも、完成度が低く売り込みが弱い記事LPの方が集客できる、という話もあります。
そこで今回は記事LPのメリットと書き方を解説します。
この記事を読むメリット
- 記事LPの強みがわかる
- 記事LPの具体的な書き方がわかる
- 売れる記事LPを作るために必要な要素がわかる
記事LPとは
記事LP(記事形式のランディングページ)は、一般的なブログ記事と商業目的のLPの特徴をかけ合わせたランディングページのことです。
一般的なブログ記事は、忖度のない意見や筆者の視点のストーリーがおもしろく、わかりやすく書かれているエンタメ性の高いコンテンツです。
一方、LP(ランディングページ)は商品やサービスに興味をもった見込み顧客を集客することを目的としたビジネス性の高いウェブページを指します。
記事LPはこれら2つの特徴を取り入れ、ターゲットに近い目線で悩みの解決策を提示しつつ、商品の魅力をわかりやすく伝える記事形式のLPです。
記事LPの分類
記事LPにはいくつかのタイプがあり、一般的には次の3つに分類できます。
レビュー形式の記事LP
いわゆるアフィリエイト記事やYouTubeのプロモーションを含む動画のように、商品をレビューしながら特徴や使用感を伝えていく記事LPです。
例えば、カメラの記事LPを書く場合、カメラの操作性、写真の画質、持ち運びのしやすさ、他商品とくらべてコスパの良さなどを紹介し、商品の優位性や魅力をアピールすることで購入を後押しできます。
すでに商品のことを知っていて購入の検討段階に入っていたり、類似商品を使用したいたりと、商品への興味関心が高い見込み顧客に有効な形式です。
How-to(ハウツー)形式の記事LP
特定の問題を解決する方法や手順を紹介し、その解決に役立つ商品やサービスを提案する記事LPです。
例えば、パーソナルトレーニングジムの記事LPを書く場合、おすすめなダイエット方法を紹介していく中でジムの名前をあげ、おすすめの理由を挙げていきましょう。
悩みや問題を抱えていて、解決方法を探している最中の見込み顧客に有効な形式です。
ストーリー形式の記事LP
商品を購入することで得られる成功体験をストーリー形式で伝え、読者に追体験させながら商品の魅力を伝えていく記事LPです。
例えば、ニキビや肌荒れに悩んでいる女子高校生の主人公が、とある洗顔料(商品)を使い始めたことで肌がきれいになり憧れの先輩から告白された、というサクセスストーリーは肌荒れに悩む女子中高生の心に深く刺さるでしょう。
ストーリー形式のLPは、まだ悩みや課題があるものの自覚していない潜在的ニーズを抱えている見込み顧客に有効です。
LPと記事LPの違い
通常のLPはメールアドレスの登録や資料請求など特定のアクションを促すこと(いわゆる集客)を目的としており、ページ内に明確なCTA(コールトゥアクション)が含まれています。
一方、記事LPはCTAはあるもののコンテンツとしてのおもしろさ、情報の充実度を重視しています。
記事の読者に価値ある情報を提供し、その流れで「特におすすめの商品」として自然にアクションを促します。
そのため、記事LPは読者の興味を引きやすく、広告感が薄いため精読率が高いです。
セールスレターと記事LPの違い
セールスレターとは読者に商品やサービスの購入を促すページのことです。
一方、記事LPは間接的に商品の紹介や購入を促す役割をもったページです。
例えば、セールスレターは「私達が自信をもってお届けするこの商品は、あなたの人生を変えます!」と主観的な売り込みをします。
しかし、記事LPの場合、「〇〇社の商品は品質が高いので、ぜひ試してみてはいかがでしょうか?」と客観的に商品を売り込みます。
記事LPのメリット
記事LPには一般的なLPにはないメリットがいくつもあります。
ここからは記事LPの代表的なメリットを解説します。
広告感が薄く読まれやすい
記事LPは広告やプロモーション感が薄いため、読者が抵抗なく最後まで読んでくれやすいというメリットがあります。
一般的に読者はセールス、広告、プロモーションを嫌う傾向があり、こういったものを感じ取るとすぐに読むのをやめてページを閉じてしまいます。
しかし、記事LPの場合、読者に寄り添った視点で収集された有益な情報が多く、最後まで読んでもらいやすい傾向があります。
潜在層と準潜在層にアプローチできる
記事LPでは、まだ商品の購入意欲がない潜在層、購入意欲はあるものの商品を認知していない準顕在層にも効果的にアプローチができます。
商品に関心をもたせて、購買意欲を煽り、購入を促す、と自然にセールスができるのは記事LPならではの強みです。
特に潜在層へのアプローチは知名度のない商品でも売り上げを期待できるため、スタートアップ企業や小規模な企業のマーケティングと相性が良いです。
ベネフィットを強く訴求しやすい
記事LPでは、商品を使って得られるベネフィットを強く訴求しやすい特徴があります。
ベネフィットとは、ユーザーが商品を通じて得られる利益、体験などのこと。
例えば、美容液の記事LPを作る場合、商品をレビューする形で使用感や使い始めてからの肌の変化、家族や友人に肌を褒められたエピソードなどを入れることで、読者に商品を使って得られるベネフィットを具体的に伝えることができます。
ベネフィットの詳しい書き方、考え方はこちらの記事が参考になります。
▽
他社との比較がされにくい
記事LP内で他社商品との比較をすることで、読者に客観的な比較をさせないメリットがあります。
記事LPは基本的に商品の販売元ではない第三者視点で書かれているため、読者は「忖度なしで評価されている商品」と感じやすい傾向があります。
また、記事LP内で競合商品との比較するセクションを設けることで、あたかも客観的な比較を装いながら商品の独自性だけを比較させることができます。
記事LPのデメリット
記事LPには潜在的なニーズの掘り起こしや競合商品と比較されにくいメリットが有る反面、デメリットもあります。
ここからは記事LPを利用するデメリットを解説します。
制作コストが増える
記事LPは通常のLPやセールスレターとセットで効果を発揮するものなので、制作コストが単純計算で通常の2倍かかります。
一般的に記事LPは、LPやセールスレターに見込み顧客をアクセスさせる入口的な役割で使われます。
記事LPを使った導線
記事LPで集客
↓
記事を通じて商品の魅力を伝える
↓
記事を読んだ読者がLPやセールスレターにアクセス
↓
商品の詳細な情報や魅力を提供
↓
資料請求、商品購入といったコンバージョン(CV)が発生
このような導線が組まれるため、記事LPとセットでLPやセールスレターの作成が必要なため、制作コストが単純計算で2倍になります。
素人感が求められる
記事LPは記事の内容やデザインの完成度が高すぎると読者に「広告ではないか」と疑われるため、程よく素人感のあるクオリティが必要です。
素人感のあるクオリティと言っても、ある程度のライティングテクニックやマーケティング的な視点でのライティングやデザインが必要で塩梅が非常に難しいです。
そのため、記事LPを作れるというスキルをもったライターやデザイナーは貴重な存在と言えます。
ブランドイメージを低下させる恐れがある
最近は詐欺商材や誇大広告で記事LPが使われることが増えたこともあり、記事LPを作ることでブランドイメージを低下させる可能性があります。
例えば有名人やインフルエンサーが監修した健康食品、ダイエット食品、化粧品のSNS広告やYouTube広告を見たことがある方も多いかと思います。
こういった広告をクリックすると胡散臭い記事LPに遷移することが多いです。
ブランドイメージを大事にしている企業の場合は、記事LPの起用や運用方法には十分注意しましょう。
記事LPの構成
記事LPの構成は、一般的なLP(ランディングページ)やSEO記事とは少し違い、両者の特徴をかけ合わせて作られています。
ここからは記事LPでよく使われているオーソドックスな構成を紹介します。
タイトル
記事LPではSEO記事のように、読者の興味関心を惹くようなタイトルが付けられています。
タイトルをつける時は下記の要素を盛り込むと良いでしょう。
- 記事LPで一貫して使われるキーワード
- 読者が記事を読むメリット
- 他の記事と比較して優位性や権威性が感じられるワード
例えば、ハンドクリームの記事LPを書く場合は「【〇〇年最新】美容師がおすすめする神ハンドクリーム」みたいなタイトルだと読者の興味を惹きやすくなります。
問題提起
記事LPの導入では読者が直面している問題を明確に示し、その問題の重要性を強調します。
例えば、「乾燥肌は放置すると肌トラブルの原因になります」といった形で、問題の深刻さを読者に伝えます。
読者に身近で共感しやすい問題ほど、続きを読んでもらいやすくなります。
解決策の提示
次に問題に対する具体的な解決策を提示します。
ここで読者に実行可能な解決策(アクション)を示し、その有効性を説明しましょう。
例えば、「日常のスキンケアに保湿クリームを取り入れることで、乾燥肌を防ぐことができます」と具体的なアドバイスを提供すると、読者は解決行動を起こしやすくなります。
もし、解決方法が複数ある場合は1つに絞り、なぜその解決方法が良いのかを説明できると記事LPの説得力が上がります。
商品の紹介
提示した解決策をさらに具体的にするために、セールスをかけたい商品を紹介します。
ここでは商品のメリットや独自性、ベネフィットを詳しく説明して読者に商品の価値や優位性を伝えましょう。
例えば「この保湿クリームは、天然成分〇〇が一般的な容量の100倍配合されているので、少量でも24時間お肌を乾燥から守ります」と具体的に商品の強みを伝えられると、競合商品との差別化がしやすくなります。
商品の信頼性・権威性
商品の信頼性を高めるために専門家の意見や検証実績、論文などで権威性を証明して読者から信頼を得ましょう。
例えば、「人気美容師〇〇さんもおすすめ」や「臨床試験で従来の保湿クリームの10倍の効果が実証されています」といった形で信頼性と権威性を補いましょう。
口コミ
商品の客観的な評価としてユーザーの口コミも紹介すると、商品をより魅力的に見せることができます。
例えば、例えば、「このクリームを使ってから肌の調子が劇的に改善しました!」といったユーザーの声をいくつも紹介することで、商品の質の高さや満足度の高さをアピールできます。
特に最近はSNSでの口コミや評価が商品を購入の決め手になる場合もあるので、SNSの口コミを積極的に引用していきましょう。
特典
記事LPで読者にアクションを促すためには、ここでしか得られない特典の存在も重要です。
例えば「このページから購入すると先着100名限定20%オフ」といった特典を提示すると、ページからの離脱を防ぎやすくなります。
また「先着100名」といった限定性の要素を含むとより特典が魅力的になります。
クロージング
記事LPの最後は、読者が気持ちよくアクションを起こせるようクロージングしましょう。
例えば「すでに特典は残りわずかなので、今すぐこちらからご購入ください!」といった文言とCTA(コールトゥアクション)を設置することで、読者の購買を促しやすくなります。
記事LPの作り方
記事LPの製作工程は、一般的なLPに非常に近いです。
ここからは記事LPの製作工程について解説していきます。
ターゲットを決める
最初に、記事LPのターゲットとなる読者像を明確にしましょう。
ターゲットを具体的に設定することで、その読者層に合ったコンテンツを作成することができます。
ターゲットを決める要素
- 年齢
- 性別
- 抱えている悩み
- 悩み解決に対する熱量
- その人の価値観
こういった要素で考えると、解決したい悩みが具体的になります。
悩みを掘り下げる
ターゲットが抱える悩みを深掘りし、悩みを実感する瞬間やその時の気持ちを想像してみます。
例えば「肌の乾燥が気になる」だけでは抽象的なので「いつ」「どこで」「どのように」といった感じで5W1Hを使いながら掘り下げていきましょう。
ターゲットが悩みを感じる場面が具体的であるほど、深く共感してもらいやすくなります。
構成決め
深堀りしたターゲット像を基に、記事LP全体の構成を考えます。
ここでは、先ほど紹介した記事LPの構成を参考に一般的なLPのように商品を紹介しつつ、SEO記事のようにキーワードを散りばめて検索エンジンで上位表示されるよう工夫しましょう。
記事の作成
記事LPの構成が完成したら、いよいよ記事の制作に取り掛かっていきます。
本文では商品を売り込むのではなく、第三者がオススメを紹介するように客観的なスタンスを保ちましょう。
また第三者視点での商品を使ってみた感想や使用前と後の違い、あえて欠点を挙げるなど正直なレビューを心がけると読者から信頼を得やすくなります。
挿入する画像や動画の作成
記事LPでは画像や動画を多めに差し込み、視覚的なわかりやすさを重視することをおすすめします。
SEO記事や記事LPの場合、本文を最初から最後まで読んでいる人はおらず、読者が欲しい情報だけをかいつまんで読んでいることが多いです。
そのため、画像や動画を使ってどこから読んでもわかりやすいよう、記事の利便性を上げると良いでしょう。
コーディング
記事LPのデザインが完成したら決定したら、ウェブページとして構築(コーディング)します。
最近ではパソコンよりもスマホで検索したり、記事を読んだりすることが主流になっているので、レスポンシブデザインを採用しモバイルデバイスでも読みやすいよう調整しましょう。
最終調整
コーディングまで完了したら、最後に記事LP全体を見直し細部の調整を行います。
誤字脱字やリンクの確認、デザインの微調整などを行い最終的なクオリティを高めましょう。
この時、パソコン、スマホのどちらから見てもページが正常に機能しているか確認するために、両方の端末で確認することをおすすめします。
リリース
最終調整が完了したら、記事LPを一般に公開します。
公開後は、記事LPのアクセス数や記事を経由した申込数などのデータを基に、より効果的な記事になるよう最適化(微調整)を行いましょう。
魅力的な記事LPを作るテクニック
魅力的な記事LPを作るには、いくつかポイントがあります。
ここでは代表的なテクニックを紹介します。
AIDMAの法則を構成に活用する
AIDMA(アイドマ)とはアメリカの経済学者サミュエル・ローランド・ホール氏が考案した、広告を見た消費者の心の変化過程のことを指します。
AIDMAの法則
- Attention:注目
- Interest:興味関心
- Desire:欲望
- Memory:記憶
- Action:行動
AIDMAの法則を構成に活用することで、読者の注意を惹くところから商品の購入促進までをスムーズに行えます。
この法則の詳しい使い方は、こちらの記事でも詳しく解説しているのでぜひ併せてご覧ください。
▽
恐怖訴求を利用する
読者が持つ不安や恐怖を利用して、解決策としての商品やサービスの必要性を強調する恐怖訴求は記事LPと相性抜群です。
例えば、ハンドクリームの記事LPを作るなら「乾燥肌を放置すると手がシワシワになります」「子供に「お母さんの手おばあちゃんみたい」と言われてしまうかも…」といった恐怖訴求を用いることで、読者に緊急性を感じさせます。
恐怖訴求を使うときは、煽りの強さと記事全体のバランス感が大切です。
詳しい使い方はこちらの記事で解説しているので、興味がある方はぜひ参考にしてください。
▽
ストーリーテリングを使う
記事LPを漫画風にする場合は、記事の構成に加えて読者に追体験してもらうストーリーテリング(ストーリーライティング)が有効です。
ストーリーテリングとは、物語調に書かれた文章のことです。
漫画風記事LPでは、ターゲットと同じ悩みを抱えている人物のサクセスストーリーを物語調で追体験させることで、自分ごととして捉えてもらいやすくなります。
サクセスストーリーが明るく、痛快で、共感できる内容であるほど、ターゲットが商品に興味を持ちやすくなります。
ストーリーテリングの具体的な書き方はこちらの記事を参照ください。
▽
限定性を強く煽る
記事LPからの成約率を上げるには、限定性の強い煽りも有効です。
多くの読者は記事を読んで即決はせず、「他の記事も見比べてみよう」と考えページから離脱します。
その離脱を防ぐためには強力な限定性で「今すぐ決断しないと損する」という感情を与えることが大切です。
例えば、「今なら先着100個限定で50%の特別価格でご提供します」といった限定特典をつけると読者の決断を後押ししやすくなります。
こういった限定性を使った煽り方については、こちらの記事で詳しく解説しているのでぜひ併せてご覧ください。
▽
記事LPの最適化(LPO)
記事LPをリリースしたあとは、定期的に分析を行い改善することでより成約率の高いLPへと成長していきます。
ここからは記事LPを最適化する方法について解説します。
KPIの設定
記事LPの効果を測定するために、まずページが良いか悪いかを判断する基準がなければなりません。
この基準のことをKPI(主要業績評価指標)と呼びます。
記事LPのKPIとしては下記のようなデータを基に決めます。
- ページビュー数:ページの閲覧数
- コンバージョン率:記事LP経由で商品が売れた確率
- 直帰率:商品を買わずにページを閉じた確率
分析ツールの活用
KPIで決めた数値を達成できているかどうかを調べるために、分析ツールを使ってデータを収集します。
記事LPの主な分析ツールとしては下記が使われます。
- Google Analytics:ページにアクセスした人のデータがとれるツール
- Google Search Console:検索エンジン経由での記事LPのアクセス数などがわかるツール
- ヒートマップ:ページ内で読者がクリックした箇所や読まれやすい部分がわかるツール
記事LPの最適化(LPO)
データを収集し、改善の方向性が決まったらいよいよ最適化です。
ランディングページを最適化する作業のことをLPOと言います。
記事LPのLPOではタイトル、本文、画像などを見直し、リライトや差し替えを行います。
LPOが完了したら、再びしばらく運用して分析→LPOという順番で記事LPをブラッシュアップしていきましょう。
まとめ
いかがだったでしょうか。
今回は記事LPのメリットと書き方を解説しました。
適切なターゲット設定と魅力的なコンテンツを作成することで、効果的な記事LPを作り上げることが可能です。
ぜひこの記事を参考に、成約率の高い記事LPを作成してください。