どうも、狐乃です。
マーケティングの世界で成功を収めるためには、効果的な戦略が欠かせません。
その中でも「ダイレクトレスポンスマーケティング(DRM)」は、ターゲットとの直接的な関わりを重視し、効果を最大限に引き出す手法です。
この記事では、ダイレクトレスポンスマーケティングの基本概念から設定する目的、具体的なメリットまでを分かりやすく解説します。
この記事を読むメリット
- ダイレクトレスポンスマーケティングの概要を把握できる
- ダイレクトレスポンスマーケティングを設計できるようになる
- ダイレクトレスポンスマーケティングで効率よく利益を上げる方法がわかる
ダイレクトレスポンスマーケティング(DRM)とは
ダイレクトレスポンスマーケティング(Direct Response Marketing、略称:DRM)は、自社が出した広告に対して反応があった見込み顧客とコミュニケーションをとり、商品を販売するマーケティング手法です。
テレビでCMを流したり、新聞や雑誌に広告を掲載するマスマーケティングとは違い、自社の商品に興味を持った人だけに営業を書けるため、成約率が非常に高い特徴があります。
ダイレクトレスポンスマーケティングが使われる場面
ダイレクトレスポンスマーケティングは特定の場面で効果を発揮し、高い成約率が狙えます。
ここからはダイレクトレスポンスマーケティングが効果的な場面をいくつか紹介します。
卸売の仲介費用を抑えたい時
自社の商品を販売する際にできるだけ利益を大きくしたいなら、ダイレクトレスポンスマーケティング(DRM)がおすすめです。
例えば、ある食品メーカーが製品を商品を販売する際、仲介業者を挟まずにメーカーとお客さんが直接取り引きをしたとします。
この場合、食品メーカーは仲介手数料分の利益が増え、お客さんは仲介手数料分だけ安く商品を買えます。
つまり、ダイレクトレスポンスマーケティングによって、メーカーとお客さんの双方がWin-Winの関係になるわけです。
商品の知名度が高くない時
商品の知名度が低い場合、一般的な広告手法だけでは効果的な顧客アプローチが難しいことがあります。
ダイレクトレスポンスマーケティングを活用して、特定のターゲット層に対して商品の魅力や利点を具体的に伝えることで、知名度が低くても効果的に商品の認知や販売が行なえます。
例えば、新興のIT企業が独自のソフトウェアをリリースした場合、一般的な広告媒体では競合他社に隠れてしまい注目を集めるのは難しいです。
そこで、ターゲットを企業のIT部門に限定し、ターゲットのピンポイントな悩み、問題を解決するサービスの特長をアピールすることで、効果的に集客や販売ができるようになるでしょう。
この事例のようにターゲットを絞ったマーケティング戦略について、こちらの記事でも詳しく解説しています。
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広告費を抑えたい時
大規模な広告展開には多額の広告費が必要ですが、DRMはよりターゲットに絞ったアプローチを取るため、無駄な広告費を削減できます。
特に限られた予算内でのマーケティングを行いたい場合に有効です。
例えば、田舎の個人経営のカフェがテイクアウトサービスを始めた場合、大手カフェチェーン店のように予算をかけた広告は難しいでしょう。
しかし、SNSを活用して地域住民をターゲットに直接アプローチすることで、広告費をほぼかずに効果的な集客が可能になります。
ダイレクトレスポンスマーケティングの仕組み
ダイレクトレスポンスマーケティング(DRM)は、集客、教育(ナーチャリング)、販売(クロージング)という3つのステップから成り立っています。
まず、ターゲットを集める段階で具体的な情報提供を行い、関心を引きます。その後、関心を持ったターゲットに対して教育的なコンテンツを提供し、信頼関係を築きます。最終的には、ターゲットが行動を起こす際に販売プロセスに結びつける仕組みとなっています。
ステップ1:集客
まず、ターゲットとなる顧客層を特定し、彼らの興味やニーズに合わせたコンテンツや情報を提供することで、見込み顧客の関心を引きます。
この時、ウェブサイトやランディングページ(LP)、SNSアカウントなど集客の窓口となる場所を準備しましょう。
Web広告やSNSの運用を通じてターゲット層との接触を積極的に行い、界隈で広く認知されるのがポイントです。
ランディングページの活用方法と具体的な書き方はこちらの記事で詳しく解説しています。
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また、最近流行りのLPとSEO記事の良いところを組み合わせた記事LPの書き方はこちらを参照ください。
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そして、見込み顧客とコミュニケーションを取るために、下記のような方法で連絡先を確保します。
連絡先を確保する方法
- メールアドレスを登録させる
- フォームに個人情報を記入させる
- 電話で問い合わせさせる
- 資料を請求させる
- LINEやSNSをフォローさせる
これらの方法で連絡先を登録した見込み顧客は、ステップ2に進みます。
ステップ2:教育(ナーチャリング)
集客した見込み顧客の興味を維持し、信頼関係を築くために、教育的なコンテンツや情報提供を行います。
メルマガやSNS、動画コンテンツなどを通じて、ターゲットに有益な情報を提供し、商品への関心と期待を高めると良いでしょう。
教育のステップで売り手が商品を販売する理由(会社の理念)を伝え信頼を獲得すると、今後別の商品も販売しやすくなります。
ステップ3:販売(クロージング)
最後は、顧客に対して商品を購入してもらうためにクロージングを行いましょう。
クロージングとはビジネス用語で商談を締結に結びつける最終フェーズを表す用語です。
この場面では見込み顧客に商品の購入を促すことを指します。
見込み顧客に起こしてほしい具体的なアクション(コール・トゥ・アクション(CTA))を伝えましょう。
コール・トゥ・アクションとは、見込み顧客にアクションを呼びかける行為のこと。
主に「申込みはこちら」といった文言が書かれたボタンのことを指します。
コール・トゥ・アクションに魅力的なコピーを付けることで、成約率アップが期待できます。
具体的なコピーについては、こちらの記事で詳しく解説しています。
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ダイレクトレスポンスマーケティングの手法
ダイレクトレスポンスマーケティング(DRM)にはさまざまな手法が存在します。
DMやメルマガ、SNS、LINE・SMS、電話、マスメディアなど、これらの手法を組み合わせることで、ターゲットに対して効果的にコンバージョンを高めることができます。
ここからは、ダイレクトレスポンスマーケティングで使われる手法の特徴を解説します。
DM
ダイレクトメール(DM)は、郵送や宅配便を利用して、ターゲットとなる顧客に直接的に広告や情報を送る手法です。
郵便、宅配便を活用するため労力と時間はかかりますが、その分見込み顧客は「手が込んでいる」ことが伝わり、高い熱量で商品に興味を持ってくれるでしょう。
主に高齢者などインターネットを活用していない人に有効です。
メルマガ
メールを通じて、定期的にニュースや情報、特典を配信する手法です。
最近ではメールを使ってやり取りする機会はかなり減りましたが、ビジネスマンや中年以上の世代ではまだまだ有効な手段です。
ただ、一人でいくつものアドレスを作れるため、捨てアド(企業からのメルマガが届くのを避けるため、普段は全く使っていないアドレス)を登録され、いくらメッセージを送っても全く開かれない可能性があります。
メルマガの効果的な使い方、書き方についてはこちらの記事で詳しく解説しています。
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SNS
ソーシャルネットワーキングサービス(SNS)を活用して、ターゲット層に対して情報やコンテンツを提供する手法です。
シェアやコメントを通じて情報が拡散されやすいので、新規の見込み顧客を獲得しやすい特徴があります。
SNSの媒体ごとに年齢や性別の偏りはありますが、主に10代、20代の若い世代を狙う時におすすめです。
LINE・SMS
LINEやSMS(ショートメッセージサービス)を通じて、ターゲットに直接メッセージを送る手法です。
LINEやSMSはより個人向けのコミュニケーションを強化することで、成約率向上の効果が期待できます。
またスマートフォンやiPhoneを使っている人であればLINEやSMSを利用している可能性が高いので、メッセージのやり取りのしやすさも魅力です。
電話
電話を使い会話で顧客にアプローチする方法も有効です。
人間は文章でのコミュニケーションよりも、会話で意思疎通するほうが相手を信頼しやすいため、電話でのセールスはかなり強力です。
ただ近年では振り込め詐欺と警戒される可能性が高いため、クロージングする場面など顧客と信頼関係を築いてから行うと効果的です。
マスメディア
テレビ、ラジオ、新聞などのマスメディアを活用して、広範な視聴者や読者に対して広告を展開する手法もあります。
今では影響力が衰退してきていると言われていますが、中高年向けのアプローチであればまだまだ効果は絶大です。
ダイレクトレスポンスマーケティングのメリット
ダイレクトレスポンスマーケティング(DRM)のメリットとして、購買意欲の高い見込み客を集められること、広告費を抑えて少額から始めやすいこと、Webとの相性が良いこと、新商品が販売しやすくなる、などがあります。
ここからはダイレクトレスポンスマーケティングを活用するメリットを解説します。
これらのメリットを活かすことで、効果的なマーケティング施策を展開できるでしょう。
購買意欲が高い見込み客が集まる
ダイレクトレスポンスマーケティングは、購買意欲の高い見込み客を集められるメリットがあります。
最初から購買意欲が高いため、教育後の購入率が非常に高い傾向があります。
そのため、ダイレクトレスポンスマーケティングは効率の良いマーケティング手法と言えるでしょう。
広告費を抑えて少額から始めやすい
大規模な広告展開に比べて、DRMは比較的少額から始めることができます。
特にWebを活用したダイレクトレスポンスマーケティングは、広告費を抑えながら効果的な商品販売が可能です。
例えば、X(旧Twitter)やInstagramなどのSNSを活用すれば、広告費0円で売り上げを狙えます。
Webとの相性が良い
先程も紹介したように、ダイレクトレスポンスマーケティングはWebとの相性が良く、ブログやSNS、You Tubeなどを活用して効率的に見込み顧客を集められます。
例えば、オンラインコスメショップが新商品のプロモーションを行う際、テレビや雑誌で広告を打つよりも、SNSを使って宣伝したほうが低予算かつ効率的に集客・教育・販売ができるでしょう。
新商品が販売しやすくなる
ダイレクトレスポンスマーケティングは、商品販売の前に教育のステップを挟んでいるため、見込み顧客が企業や商品のファンになってくれる可能性が高いです。
固定のファンができると、新商品や関連商品を買ってもらいやすくなります。
一度集客した顧客に何度もアプローチできるのも、ダイレクトレスポンスマーケティングの大きなメリットです。
ダイレクトレスポンスマーケティングのデメリット
ダイレクトレスポンスマーケティングのデメリットとしては、商品が売れるまでに時間がかかること、過剰なプッシュが怪しい印象を与える可能性がある、などが挙げられます。
これらの点に注意しながらマーケティング戦略を構築していきましょう。
商品が売れるまで時間がかかる
ダイレクトレスポンスマーケティングは、集客、教育、販売の3ステップを段階的に進めていくため、商品が売れるまで時間がかかります。
そのため、短期的な結果を求める場合には向いていないかもしれません。
販売までの期間を短縮する方法として、電話やビデオ通話、対面での教育、販売が有効です。
怪しい感じがある
ダイレクトレスポンスマーケティングは、集客時に見込み顧客にメールアドレスを登録させたり、電話で資料請求させたりと、連絡先を確保するために個人情報を登録させます。
これらの方法では「個人情報が抜かれる」と感じ、登録を避ける人も多くいます。
そのため、登録させる連絡先の情報はできるだけハードルが低いものが良いでしょう。
ハードルが低い連絡先の例
- SNS
- LINE
- メールアドレス
ハードルが高い連絡先の例
- 電話番号
- 住所
また教育や販売のステップで過剰にメッセージを送ると離脱される可能性が高いです。
1日1回~2回を目安にすると良い距離感を保てるでしょう。
ダイレクトレスポンスマーケティングがおすすめの業界
ダイレクトレスポンスマーケティング(DRM)は、その効果的な特性からさまざまな業界で活用されています。
特定のニーズに合わせた直接的なアプローチが求められる場面で、ダイレクトレスポンスマーケティングは優れた成果を上げることがあります。
教育業
教育業ではターゲットとの直接的なコミュニケーションを通じて、新規生徒の獲得や既存顧客のファン化が図られます。
特に情報商材とのダイレクトレスポンスマーケティングの相性が良く、しっかり教育すれば次々に新商品を買ってもらいやすくなります。
サービス業
コンサルティングやパーソナルトレーニングなど、サービスを提供する職業でもダイレクトレスポンスマーケティングは効果的です。
特定のニーズを持つターゲットに対して、専門知識やソリューションを提供することで信頼性を高め、受注率を向上させることができます。
まとめ
ダイレクトレスポンスマーケティング(DRM)は、特定のアクションを促すことを主な目的とした効果的なマーケティング手法です。
ターゲット層に対して直接的なアプローチを行い、集客から販売までのプロセスを通じて効果的なコンバージョンを実現します。
ただし、顧客の信頼を得るためには時間がかかる点や、見込み顧客に怪しまれやすい点は注意が必要です。
ダイレクトレスポンスマーケティングの特徴やメリット、デメリットを理解し、効果的なマーケティング戦略の一環として活用していきましょう。